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狂四郎2030

狂四郎2030 (1)狂四郎2030 (1)

大分前から気になってはいたんだけど、よーやく完結したのでイッキ読み。
徳弘正也というと「ジャングルの王者ターちゃん」などに代表されるお下劣ギャグマンガ家という印象が強いけど、お下品さ加減はそのままに(笑)、ハードな近未来SFに挑んだ漫画。

時は2030年、「遺伝子」による政治が支配する世界。
政府の政策により男女は完全に隔離された世の中で、性欲を満たすために作られたバーチャルマシンの中で恋に落ちた男と女がいた……というと、「またそういう人間管理社会の近未来もの?」と意地悪な意見を言う人もいると思うが、この漫画は政治、科学、アクション、恋愛、宗教、そしてお下劣ギャグ(笑)が上手い具合にミックスされてる。

この漫画には「M型遺伝子」という概念があって、それを『犯罪者の遺伝子』として差別の対象とし、民衆の心理を把握するのに上手く使ったりたりするあたりは、世界第二次大戦のナチスとユダヤ人をモチーフとしてると思うんだけど、それを遺伝子とネットが支配する未来にはこうなります、という作者の視点がおもしろい。

この話の主人公狂四郎は、M型遺伝子に異常を持ち、軍事国家により殺人マシーンとして育てられた人間だ。
それがバーチャルマシンの中で恋に落ちた恋人の元へたどり着くために、それはもう数え切れないぐらいの人をズバズバと殺していく。たった一つのカップルのために無数の命が犠牲になる。

すべては愛の名のもとに。

この漫画をカテゴライズするなら、「SF」になるんだろうけど、私はあえてこれを「恋愛もの」といいたい。そして恋愛漫画が好きな人に読んでみて欲しい。
読んだら、しばらく他の恋愛漫画がヌルく感じるようになっちゃうかもしれないけど。

漫画を読み終えて、ヤフトピを見ていたら、こんなニュースがあった。

<警察庁>容疑者のDNAをデータベース化 問題点を検討へ

 警察庁は、犯罪捜査やテロ対策として、容疑者から採取したDNAについて指紋と同様にデータベース化して保存する方針を決めた。来月にも有識者会議を開き、実施にあたっての問題点などの検討を依頼する。(中略)漆間巌長官は27日、東京都内での講演会でDNA鑑定の際には鑑定許可状を取るなど法的手続きを経ていることから、データベース化について「新たな法律を作らなくても問題ない」などと述べた。(後略)

そのうち漫画本の中から予言書って出てくるんじゃないかと思ってしまうよ。

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